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画像-7、写真-3

 今回はある一つの実験の途中経過の報告です。
 今まで展示した画像は、「華厳経の風景」をも含めて全てプログラミング以外は人間が関与しない、いわゆる電脳によって完全自動で生み出された作品でありますが、当然この手法にも限界がある訳です。
 これを打破するための一つの試みとして、「いけ花」の手法を参考にします。「いけ花」はご存知のように、自然によって生み出された花を、人間が花器という器(うつわ)にアレンジしていけることで、自然という宇宙を床の間の空間に凝縮して表現することだろうと思います。
 そこで電脳によって生み出された花を、単にそのまま作品とするのではなく、素材(部品)として用い、これを人間がアレンジして作品を完成することにすると、作品の表現能力を増大できるはずです。ただし電脳は人間の感性では考えられないようなユニークな構図を創発する可能性がありますので、この場合でも電脳による創発が主で、人間のアレンジは従となります。これは電脳の可能性を追求しているからです。これが「いけ花」と大きく異なるところです。
 さて、画像-7ですが、二つの対数螺旋をあらわした模様で、電脳で生み出されたものです。今回の実験では、これは一つの部品として用います。「いけ花」に対応させると花器に相当するものです。この画像を背景にして、電脳によって生み出された花を人間がアレンジし貼り付けて、作品を完成します。この結果は次回に報告する予定です。
 渦については前回も取り上げましたが、とくに対数螺旋は、自然の形を構成する根源的な要素のように思われます。
 ところでこの二つの螺旋の組合わせの構図の歴史は、きわめて古くギリシア神話にさかのぼります。前回と同じくトルコ旅行での写真で説明します。
 写真-3は、古代都市エフェソスのメミウスの碑の近くの道のわきに立っている大理石にきざまれた模様です。二匹の蛇が、尾のほうで互いに巻きつき、やがて螺旋を描いて向き合うような構図です。
 たぶんヘルメスの杖、ラテン語のカドゥケウス(CADUCEUS)と呼ばれているものの一つではないかと推測しています。
これについて、平凡社の世界大百科辞典の説明の一部を引用しますと、カドゥケウスはギリシア語のカリュクス(「伝令」の意)から派生した語と思われ、ヘルメス神はこの杖を印として、冥界・地上界・天界の間を往復し、神々の相互の意志や、とくにゼウスの命令を伝える伝令の役割を果たしたとあります。すなわちヘルメスは情報伝達の神でもあるのです。
 実は画像-7は、ある学会誌の表紙のデザインとして採用されています。
by nichi_getu | 2005-09-30 23:20 | 採取した草花


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